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歴史も名所も...ドイツ人も日本人も愛している”桜”について徹底解説!

〇 ”プチドイツ語講座~桜編~”



桜を使ったドイツ語の例文を記載します。

①Das ist eine Kirschblüte.

 こちらは桜です。

②In Japan ist die Kirschblütenzeit am schönsten.

 日本では桜の季節が一番美しいです。

③Auch in Deutschland sind japanische Kirschblüten sehr bekannt.

 日本の桜はドイツでも非常によく知られています。

④Die Kirschblüten blühen.

 桜は綺麗に咲いています。

⑤Ich möchte nach Japan gehen wenn die Kirschblüten blühen.

 桜が咲いたら日本に行きたい。

もしドイツ人の方と桜について話すときには使ってみてください。


歴史も名所も...ドイツ人も日本人も愛している”桜”について徹底解説!

日本には”四季”と呼ばれる春・夏・秋・冬の4つに分かれた季節が存在します。日本人はそれぞれの季節に合わせた過ごし方やイベントを開催してきました。

その四季の一つである春を代表するものとして”桜”があります。卒業や新生活を感じさせる桜はJ-POPの歌詞にも使われるほど日本で浸透しています。

今回はその桜について紹介します。





〇桜とは




桜はバラ科サクラ亜科サクラ属(スモモ属)の広葉樹を総称したものです。

桜を含め、植物には野生の生物種である”野生種”と品種改良などをした”種間雑種”がありますが、桜の多くは種間雑種であるとされています。

また、桜はお花見や観光地に植樹されるような”観賞用”とサクランボや花や葉の漬物などの”食用”に分類されます。観賞用として最も多く植えられているのは”ソメイヨシノ”と呼ばれる品種ですが、ソメイヨシノのサクランボは黒紫色で苦みと酸味が強いので食用には向いていません。そのように桜の種類によってはその用途が変わってきます。

桜の花言葉は”精神の美”や”優美な女性”、”優れた教育”など人間の健全で清楚な本息を表現しています。







〇日本での桜

日本では平安時代に観賞用として栽培し始めましたが、それ以前は食用として利用されていることが殆どでした。現在はソメイヨシノが多く見られていますが、平安時代では”ヤマザクラ”や”八重桜”と呼ばれる日本の固有種が主流でした。そこから鎌倉時代には”オオシマザクラ”、室町時代には”フゲンゾウ”や”ミクルマガエシ”というように普及している桜は段々と変化していきました。

しかし、明治時代に文明開化の影響で庭園がなくなるとともに桜も伐採されていきました。その現状に危機感を感じた庭園職人・高木 孫右衛門は伐採された桜の枝を自宅で育てました。それを見た江北地区の戸長だった清水 謙吾が東京の荒川に桜をたくさん植えた桜並木を作り、その並木が後に”五色桜”として有名になることで全国でも同様のことが行われるようになりました。

さらに、第二次世界大戦では荒川の桜並木が壊滅的な被害を被りました。その際は植樹業者である小清 水亀之助を筆頭に国立遺伝子学研究所などが復興に注力しました。このような様々な人の活動によって現在も日本の風物詩の一つとして桜が浸透しています。

〇日本の桜の名所

前章で日本の桜の歴史について紹介してきましたが、ここからは日本の桜の名所をいくつか紹介します。

・日中線しだれ桜並木

福島県にある喜多方駅から熱塩駅を繋ぐ”日中線”という鉄道路線の途中にある桜並木。

約3kmの道沿いにある約1000本の桜を楽しめます。

このエリアに咲いているのはソメイヨシノではなくシダレザクラと呼ばれる枝が垂れている桜であることから希少性が高くなっています。

・目黒川

東京都の世田谷区、目黒区、品川区に流れている河川。

両岸に約800本の桜があるのが特徴の観光地です。目黒川さくらまつりが行われていたりお花見のスポットとしてメディアに取り上げられたりと関東の桜が見られるスポットとしては欠かせない場所です。

・大阪城公園

大阪城特別史跡地にある公園。

公園内全体では約3000本、西の丸庭園と呼ばれる有料エリアでは300本の桜を楽しむことができます。また、大阪城が近くにあるため、桜と城という日本の風情を味わうことができます。

〇実はドイツにも桜が!?

桜は日本のものというイメージがある方もいるかもしれませんが、本来桜の野生種は日本だけでなくヨーロッパ諸国や中国、北アメリカ大陸などの北半球の温帯に多く存在します。

日本や中国などに多いのはヤマザクラやセイヨウミザクラなどの”サクラ属”に

分類される桜ですが、ヨーロッパ諸国の桜はモモやウメと同じ”スモモ属”に分類されます。

ドイツでは1866年に博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本から”ホクサイ”と呼ばれる品種を持ち出したことが桜の歴史の始まりとされています。また、1977年から3年間”日本花の会”と呼ばれる花と緑の名所を作り出す団体がハンブルグに5000本の桜の苗木を贈呈したり、ベルリンの壁崩壊後に日本のテレビ局である”テレビ朝日”と日本花の会が共同で6000本の桜の木を贈呈したりと日本との協力関係を持ちながら桜の数を増やしていきました。

〇ドイツの桜の名所

日本同様桜が親しまれているドイツ。そんなドイツの桜の名所を紹介します。

・テレビ朝日さくら平和通り

前章で紹介したベルリンの壁崩壊後に作られた桜並木。当初は約5000本でしたが、30年以上経過した2022年には9000本以上あると推定されています。これらの桜の費用は当時”桜植樹キャンペーン”と呼ばれるテレビ朝日の取り組みに参加した視聴者2万人が寄付した1億4000万円との募金で賄ったとされています。

テレビ朝日さくら平和通りで特に有名なのは4kmの沿道に植えられている約1100本の桜並木なのでこれは見逃せません。また、このテレビ朝日さくら平和通りでは桜祭りなど様々なイベントが行われるのも特徴です。

・グラッシー博物館

ザクセン州のライプツィヒという都市の中心部にあるグラッシー博物館の正面にある広場の桜。

庭園の芝を囲うように八重桜が植えられています。グラッシー博物館は外壁の色が赤茶色なのが特徴的ですが、この赤茶色、桜のピンク色、芝の緑色は非常にマッチした色合いなので華やかに見えます。そのため、ピクニックや散歩、写真撮影など春を満喫しながら様々な過ごし方をすることができます。

・ヘーア通り

ベートーヴェンが生まれたことでも有名なノルトライン=ヴェストファーレン州のボンという都市にあるヘーア通りの桜並木。

“桜のトンネル”とも呼べるほど様々な種類の八重桜が道の上まで枝を伸ばしているためアーチの様になっています。また、地面にも大量の花びらが落ちており、桜の絨毯を連想させます。

濃いピンク色をした八重桜は日中に美しく映えている街並みと合わせたり、夜に街灯とともに夜桜として楽しむのも風情があります。

日本では受験で志望校に合格することを”サクラサク”と言われています。また、女の子の成長を願う日として3/3に制定されている”ひな祭り”でも桜を練りこんだ”桜餅”が食べられています。そのように桜は現在も鑑賞だけではなく、めでたい時にも使われる程日本人に愛されています。

ドイツ人も愛してやまない桜は殆どが春の間だけ開花し、その他の時期には咲きません。そのため、短い期間しか楽しむことが出来ないので春が来たら思う存分桜を堪能してください。

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