何語で答えますか?クイズ王の「3言語クイズ」をドイツ人が検証した結果…
何語で答えますか?クイズ王の「3言語クイズ」をドイツ人が検証した結果…
今回は、「日本のクイズ王たちが「英語・フランス語・ドイツ語」の3言語を駆使して戦うハイレベルなクイズ動画」を見たドイツ人マキシーが、「自分なら答えられるのか?」を検証しました。
前半:クイズ王たちの「3言語縛り」バトル
【ルール】
• 出題された問題に対し、英語・フランス語・ドイツ語のいずれかで解答する。
• 一度使った言語は、そのプレイヤーはもう使えない(3言語すべてで1回ずつ正解する必要がある)。
• 誤答すると、獲得済みの言語を一つ失うペナルティがある。
検証した結果
Q1. 日本で一番高い山は?(Berg Fuji)
判定:⭕️ 正解
これはドイツ語で言えましたね。『Berg Fuji』。簡単です。
Q2. トイプードルなどの種類は?(Hund / Dog)
判定:⭕️ 正解
英語ならDog、ドイツ語ならHund。答えようと思えば答えられます。ここまでは2ポイントゲットです。
Q3. 光の三原色を全て混ぜると?(Weiss)
正解:白(独:Weiss / 英:White / 仏:Blanc)
判定:❌ 不正解
ここから挫折しました(笑)
ドイツ語で答えられないわけではなく、日本語の質問の意味が分かりませんでした。
『光の三原色』『混ぜる』という日本語が難しくて、答えが出てきませんでした。
解説:
絵の具の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)を混ぜると「黒」に近づきますが、光の三原色(赤・緑・青)は混ぜれば混ぜるほど明るくなり、最終的には「白」になります。
動画内ではドイツ語で「Weiss(ヴァイス)」と解答。「黒(Schwarz)」と混同しやすいですが、物理の知識と言語知識の両方が問われる一問でした。
Q4. 「天の弓」と書いて「天球」とも呼ばれるものは?
正解:虹(仏:Arc-en-ciel / 英:Rainbow / 独:Regenbogen)
判定:❌ 不正解
『天の弓』と言われて、弓道か何かかな…?と考えてしまい、全く思いつきませんでした。ドイツ人は分かりません(笑)
解説:
「天の弓」という漢字の通り、空にかかる弓状のものを指します。
フランス語の正解「Arc-en-ciel」は、Arc(弓・アーチ) + en(〜の中の) + Ciel(空)という単語の組み合わせでできており、まさに「空のアーチ」という意味。
動画内では日本の有名バンド「L'Arc〜en〜Ciel」の名前の由来としても触れられ、知識をリンクさせて正解を導き出していました。
Q5. ヘルマン・ヘッセの長編小説『車輪の下』の原題は?
正解:Unterm Rad(ドイツ語)
判定:❌ 不正解
この本を知らなかったので回答できませんでした。タイトルが分からないとお手上げですね。
解説:
新学校に入学した少年ハンスの苦悩を描いた名作。
ドイツ語の原題『Unterm Rad(ウンターム・ラート)』は、「Unterm(〜の下)」+「Rad(車輪)」という構成です。
社会や学校という巨大なシステムの歯車(車輪)に押しつぶされていく少年の姿を暗示しています。「車輪」というキーワードが出た瞬間に、ドイツ語タイトルを連想できるかが鍵でした。
Q6. 8月1日が月曜日だった時、8月31日は何曜日?
正解:水曜日(仏:Mercredi / 英:Wednesday / 独:Mittwoch)
判定:❌ 不正解
数学があまり得意ではないのと、残っている言語がフランス語(自信なし)だとすると、答えられなかったと思います。
解説:
計算と言語の複合問題です。
1日から31日までは「30日間」あります。1週間は7日なので、30 ÷ 7 = 4週間と余り2日。
つまり、月曜日の2日後である「水曜日」が正解となります。
動画ではフランス語で「Mercredi」と解答しましたが、ドイツ語では水曜日のことを「Mittwoch」=「週の真ん中(Mid-week)」と呼ぶという豆知識も披露されました。
Q7. 市民の相互交流の象徴としてユーロ紙幣の裏面に描かれているものは?
正解:橋(独:Brücke / 英:Bridge / 仏:Pont)
判定:❌ 不正解
これは答えを見て『すごいな』と思いました。ドイツ人なのでユーロ紙幣は山ほど使ってきましたが、裏面に橋が描かれているなんてすぐに思い出せませんでした。
解説:
ユーロ紙幣のデザインは、表面が「窓や門(開放性)」、裏面が「橋(人々の架け橋・交流)」というテーマで統一されています。
動画内で伊沢さんは、ドイツ表現主義の芸術家グループ「Die Brücke(ブリュッケ=橋)」の知識からこの単語を引っ張り出し、見事にドイツ語で正解しました。
検証結果
全問中、答えられたのは最初の2問だけ!
クイズ王たちの知識量はすごい!と思いつつ動画を見ていました。結論から言うと、このクイズへの反応は全ての質問の中で答えられるのは2つだけです(笑)。
でも、フランス語学習を思い出したりして、見る分にはすごく楽しかったです!」
クイズ王たちの知識量は、ネイティブスピーカーの常識や言語力をも凌駕する(または日本語の問題文が難しすぎる)という、意外な結果となりました。
ドイツのクイズ番組
実はドイツ、日本に負けず劣らずの「クイズ大国」です。夕方から夜にかけて、どこかのチャンネルで必ずと言っていいほどクイズをやっています。でも、私たちが普段見慣れている日本のバラエティとは、何もかもが真逆です。
①画面が「静か」すぎる
日本のクイズ番組は派手なセット、カラフルな大きなテロップ(字幕)、ワイプで抜かれる芸能人のリアクション、そして効果音。
一方、ドイツのクイズ番組はというと……静かです。
音は鳴ってるんですけど、とにかく画面がシンプルなんです!
• テロップ: ほぼゼロ。問題文と選択肢が出るだけ。
• 効果音: 正解・不正解のときくらい。
• ワイプ: ありません。
日本のように「ここが笑いどころですよ!」「ここが重要ですよ!」と親切に教えてくれる字幕は一切ナシ。ドイツ人は「情報の補助輪」なしで、純粋に会話と内容を楽しんでいます。
②『ミリオネア』がまだ現役バリバリの国民的番組
日本でクイズ番組といえば、今は「東大王」や「謎解き」が人気ですが、かつて一世を風靡したみのもんたさんの「ファイナルアンサー?」で有名な『クイズ$ミリオネア』を覚えていますか?
日本では終わってしまいましたが、ドイツでは1999年から続く超・長寿番組として、今もトップクラスの人気を誇っています。
番組名は『Wer wird Millionär?(誰が億万長者になるか?)』。
司会者が20年以上ずっと同じ人(ギュンター・ヤッホ氏)なんです。彼はドイツで最も好感度が高い司会者の一人。
日本のミリオネアのような「緊張感で煽る」スタイルとは違い、ドイツ版は「司会者と一般参加者の世間話」がすごい長いのが特徴。「仕事はどう?」「最近変なことあった?」なんていう雑談(スモールトーク)を延々として、会場がドッと沸く感じの番組です。
③番組の尺が「長すぎ」て終わらない
ドイツの土曜の夜の特番(Show)を見始めると、「あれ、この番組いつ終わるの……?」
日本の特番だと2時間、長くても3時間ですよね。
ドイツの特番は、平気で4時間くらいやります。
しかも、ドイツの公共放送(ARDやZDF)は、夜8時以降はCMを入れてはいけないという決まりがあるんです。
つまり、CMなしで延々と3〜4時間、クイズとトークが続くということ。
ビールとポテトチップスが必須です♪
④タレントよりも「知識」そのものが主役
日本の番組だと、お笑い芸人さんやタレントさんが面白おかしく答えるのがメインですよね。最近は「ひらめき」や「謎解き」も人気です。
でもドイツはもっとストレート。
求められるのは「教養(Allgemeinwissen)」です。
• 地理、歴史、政治
• 文学、科学
• 生活の知恵
これらをしっかり知っていることが「クール」とされます。
だから、回答者もタレントだけでなく、一般人が主役の番組が多いんです。「近所のおじさん」がものすごい知識量で賞金をかっさらっていく姿は、見ていて気持ちがいいです!
日本が「エンタメとしてのクイズ」なら、ドイツは「知的な格闘技としてのクイズ」といった感じでしょうか。
賑やかな演出で視聴者を飽きさせない日本のテレビ。
シンプルに会話と知識を楽しむドイツのテレビ。
もしドイツに行く機会があったり、YouTubeでドイツの動画を見る機会があったら、ぜひ「Wer wirdMillionär?」などで検索してみてください。
その「画面の白さ」と「静けさ」に、きっとカルチャーショックを受けるかもしれません。